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『詐欺師の勉強あるいは遊戯精神の綺想 種村季弘単行本未収録論集』(幻戯書房)

著作

f:id:tanemuramemo:20140724012118j:image:w360
四六上製704頁 本体8500円 
ISBN978-4-86488 -052-7 C0095
編集協力:齋藤靖朗
装幀:緒方修一
挿画:山本もえ美「植物教会の授業」二〇一四

[帯表]
あたかも美しい無権力状態(アナーキー)の螺旋
文学、美術、吸血鬼、怪物、悪魔、錬金術、エロティシズム、マニエリスムユートピア、迷宮、夢——聖俗混淆を徘徊する博覧強記の文章世界。没後10年・愛蔵版

あらゆる色の不在であるような夜は、ついにあらゆる色の共在であるような夜に転位され……巨匠と奇人芸術家、大芸術といかがわしいポルノグラフィー……世界を普遍性においてではなく、その分裂性と多様性においてそのまま救済する……すなわち世界は、そしておそらく宇宙もまた、玩具の集合体でなければならぬ……まぁ、本を読むなら、今宣伝している本、売れている本は読まない方がいいよ。世間の悪風に染まるだけだからね。

[帯裏]
ニュートンの林檎が万有引力を証明する以前には、ものみな重力の汚染を知らなかった。それなら人は万有引力の法則の成立不能を証明して、ニュートン以前の空間に立ち戻るのでなくてはならぬ。
万有引力の失効したその空間では、宇宙ロケットなんぞなくても、だれでも秋空のトンボのようにすいすいとび、遠いものは近く、近いものは遠くなって、とぶ男と堕ちる男との分身関係は消滅し、人はいまここで何をしていようと飛行しているのである。……中略……
「さよう、それが世界史の最終章なのです。」(本文より)

[帯背]
偏在の、多様でありながら一であることの神話

[目次と初出]
夢記:「たまや」第3号(山猫軒、2006年2月)

Prolog
落魄の読書人生:「I・DO」1994年10月号
ペテン師、世界を駆ける:「BRUTUS」1995年3月15日号
小説の生体解剖 ローベルト・ムージルの『特性のない男』:「週刊時代」1977年6月21日号

I
転んだあとの杖:『ドイツ・ロマン派全集8』月報(国書刊行会、1984年1月)
変身の万華鏡 ホフマン『ブランビラ王女』:「すばる」1989年10月号
ホフマンの百面相:『集英社ギャラリー[世界の文学] 10 ドイツⅠ』(集英社、1991年5月)
『ホンブルク公子』と病める言語:「駒澤大学文学部紀要」第23號(1965年3月)
非人間的なものの浮力について:『ドイツ・ロマン派全集11』(国書刊行会、1990年7月)
ヒュメナイオスの死:「MR ミスター・ハイファッション」1999年6月号
否定の弁証法  M・ブランショカフカ論』:「日本読書新聞」1968年10月21日号
マイナーの文体について:「文体」6号(1979年新年号)
鏡の此方側の弱い男から鏡の向う側の強い男へ:「話の特集」1976年11月号
もう一つの「イマーゴ」:「イマーゴ」1990年1月号
パニッツァ復活:「ちくま」1991年6月号
道化服を着たマイリンク:『バベルの図書館12 ナペルス枢機卿』月報(国書刊行会、1989年4月)
遅れてきたSF作家 シェーアバルト:「週刊朝日百科 世界の文学」19号(1999年11月)
まだ殺されていない子供たちのために 笑うペシミズムの哲学者W.ブッシュ:「図書」1986年9月号
言語=死体の分身 飯吉光夫『パウル・ツェラン』:「現代詩手帖」1978年1月号
みじろぐ声:『パウル・ツェラン全詩集』内容見本(青土社、1992年4月)
のらくら者の国 ローベルト・ヴァルザー『ヴァルザーの詩と小品』:「朝日新聞」2003年12月7日
未成年幻想:「海」1982年12月臨時増刊号
のっそりと我もゆかん ハラルト・シュテンプケ『鼻行類』:「朝日新聞」2002年12月22日
パトリック・ジュースキント『香水』:「文藝春秋」1989年4月号

II
綺想と驚異の十篇:「幻想文学」17号(1987年1月)
二十世紀の名著 私の三冊:「東京新聞」1996年10月6日・13日・20日
百鬼夜行西欧中世お化け屋敷案内図:「朝日ジャーナル」1986年4月1日臨時増刊号
『カルミナ・ブラナ』を聴きながら:「世界」1988年6月臨時増刊号
ヴァイキング式百冊の本:「リテレール」3号(1992年9月)

III
鉱物学的楽園:「ちくま」1973年1月号
聖女の宝石函 ビンゲンのヒルデガルドの「石の書」:「ミセス」1991年2月号
宝石と王と錬金術:「モノンクル」No.6(1981年12月)
宝飾の歴史と文化:『The 宝石 PARTⅡ』(読売新聞社、1976年1月)
花の怪物:「草月」74号(1970年12月)
魔草マンドラゴラ:「幻想と怪奇」1号(1973年1月)
無頭人の戴冠式 マンドラゴラの変身:「Front」1999年5月号
一角獣:『夢万年 聖獣伝説』(講談社、1988年4月)
バロックの蒐集理論 フェルディナントとルドルフ:『バロック・コレクション1 バロックの愉しみ』(筑摩書房、1987年7月)

IV
エロチシズムの世界意志:『性の思想』(太平出版社、1969年6月)
霊のポルノグラフィー クロソウスキー『肉の影』:「日本読書新聞」1967年5月15日号
死とエロスの戯れ レオノール・フィニのサテュリコン:「芸術生活」1972年1月号
海洋的退行願望 アナイス・ニン『近親相姦の家』:「日本読書新聞」1969年10月20日号
生と死の二元論的対立 N・O・ブラウン『エロスとタナトス』:「日本読書新聞」1970年7月6日号
冥婚とネクロフィリー:『日本古典評釈全註釈叢書 雨月物語評釈』月報(角川書店、1969年3月)
黄金時代と歌:『変態大画報』(駿河台書房、発行年月日不明)

V
悪魔についての五問五答:「ニューミュージック・マガジン」1973年2月号
VAMPIRE 吸血鬼:「anan」1970年4月5日号
暗い美青年:「ドラキュラ――その愛」パンフレット(サンシャイン劇場、1979年5月)
私の吸血鬼研究:「図書新聞」1968年9月21日号
東西の感性の二人三脚 レイモンド・T・マクナリー、ラドゥ・フロレスク『ドラキュラ伝説』:「週刊ポスト」1979年5月11日号
篤学の愉悦 栗原成郎『スラヴ吸血鬼伝説考』:「週刊ポスト」1980年8月8日号
洋の東西怪談比較:『平成十一年度 江戸東京自由大学 怖い、見たい、面白い―ミステリアス江戸東京―』(「江戸東京自由大学」事務局、1999年10月)/同講演原稿
ポー、あるいは時間の恐怖:『黒猫』(集英社文庫、1992年5月)
郷愁としての恐怖 『アーサー・マッケン作品集成』:「日本読書新聞」1973年6月11日号
自動車と怪談:「小説現代」1969年2月号
本格的怪談の醍醐味:『世界怪談名作集 下』(河出文庫、1987年9月)
幻視者の推理小説 C・ウィルソン『ガラスの檻』:「日本読書新聞」1967年11月6日号
双面の悪魔:「海」1972年12月号
黒い案内書(ギド・ノアール):「芸術新潮」1971年11月号

VI
神話の中の発明家:『東京大学教養講座11 機械と人間』(東京大学出版会、1985年1月)
十八世紀文学的骨董品 アレン・カーズワイル『驚異の発明家の形見函』:「朝日新聞」2003年02月16日
編集者の伝記:「日本近代文学館」第103号(1988年5月)
ミヒャエル・フェッターあるいは遊戯三昧としての宇宙:「エピステーメー」1978年6月号
空想文字博物館:『イメージの冒険3 文字』(河出書房新社、1978年8月)
ヤヌスの文字:『人間と文字』(平凡社、1995年4月)
隠秘論的夢想の世界 シャルル・フーリエ『四運動の理論』:「週刊読書人」1971年3月29日号
ポストモダン小説の極致 董若雨『鏡の国の孫悟空 西遊補』:「朝日新聞」2002年4月21日

VII
東西島物語考:『集英社版世界の文学17 ゴールディング』月報(集英社、1977年4月)
まじめな顔した遊び:「朝日新聞」1984年5月21日
空想名所案内:「太陽」1976年9月号
夢遊者の宇宙旅行:「NW-SF」Vol.1(1970年7月)
とぶ男・寝ている男:「is」Vol.45(1989年9月)
ユートピアの終焉:「週刊にんげん百科」103号(1975年8月)
世界の終りの日から:「週刊にんげん百科」104号(1975年9月)
終末と発端のはざま:「太陽」1977年2月号

VIII
古典主義者の愛の冒険譚 エウヘーニオ・ドールス『バロック論』:「美術手帖」1970年8月号
バロックの本:「EYES」5号(1993年12月)
奇抜なメランコリーの世界 マニエリスム文学について:「週刊朝日百科 世界の美術」1979年2月25日
「疎外」と「自己愛」 アーノルド・ハウザー『マニエリスム』:「週刊読書人」1970年12月21日号
本格的かつ野心的なマニエリスム研究 若桑みどりマニエリスム芸術論』:「朝日新聞」1981年2月2日
迷宮としての世界 現代芸術とマニエリスム:「美術手帖」1965年3月号
色濃いペシミズム G・R・ホッケの『絶望と確信』を読んで:「読売新聞」1975年4月14日
神を感じる技術としての日記 グスタフ・ルネ・ホッケ『ヨーロッパの日記』:「朝日ジャーナル」1991年5月31日号
物体の軌跡:『シュルレアリスム宣言/溶ける魚』栞(学芸書林、1974年12月)
ブラック・ユーモア その後 アンドレ・ブルトン『黒いユーモア選集』:「週刊読書人」1969年4月7日号
悪の分光器 ホルヘ・ルイス・ボルヘス『悪党列伝』/ボルヘス、アドルフォ・ビオイ=カサレスボルヘス怪奇譚集』:「日本読書新聞」1976年9月27日号

IX
暗黒小説のきわめつき J・K・ユイスマンス『彼方』:「週刊読書人」1975年6月23日号
空間表象の考察 ミルチャ・エリアーデ『聖と俗 宗教的なるものの本質について』:「SD」1970年1月号
聖化された宗教的人間論 ロジェ・カイヨワ『人間と聖なるもの』:「出版ニュース」1970年2月中旬号
二つの世界の間で ケレーニイ断想:「現代思想」1973年8月号
よみがえる古代的実存 カール・ケレーニイ『神話と古代宗教』:「中央公論」1972年8月号
太古の老婆を離れて:「現代思想」1977年5月臨時増刊号
無意識の言語の解読 C・G・ユング『人間と象徴』:「日本読書新聞」1972年10月23日号
孤独者ライヒ:「状況」1971年増刊号
逆さ吊りのフールが演ずるアクロバット ウィリアム・フィルフォード『道化と笏杖』:「中央公論」1983年8月号
解体の様式、様式の解体 ヴォルフガング・カイザー『グロテスクなもの』:「日本読書新聞」1968年4月29日号
普遍宇宙へのメッセージ ワイリー・サイファー 『現代文学と美術における自我の喪失』:「出版ニュース」1971年12月中旬号
透明な文体 エリアス・カネッティ『群集と権力』:「朝日ジャーナル」1972年1月21日号
ここに第二のフェデリコと…… ダンテとフリードリヒ二世:「國學院雑誌」1989年11月号

Epilog
災害解釈の精神史 クライストの地震小説について:「地震ジャーナル」24号(1997年12月)

解題(齋藤靖朗)
略伝(齋藤靖朗)